時代とともに変化する看護師のユニフォーム

昔は、看護師のユニフォームといえば白衣のワンピースでした。しかし現在はデザインが多様化しており、選択肢が広がっています。

現代看護の始祖と呼ばれるナイチンゲールの時代は、長袖のシャツにロングスカート、袖なしの白いエプロンをつけていました。日本もこの影響を受けて、明治時代(1800年代後半)は、普段着では上着とロングスカートに草履、正装用の式服では詰襟に肩パッドの入った上着にロングスカートがユニフォームに取り入れられています。この時代はエプロンだけが白く、全身が白衣というわけではありませんでした。

その後、日中戦争が始まった1937年に、日本赤十字社が戦地に派遣した看護師には、長袖・ロング丈の白いワンピースと帽子というスタイルが採用され、全身白衣のユニフォームが登場します。そして第二次世界大戦後は、保健衛生法・環境衛生法が施行され、白衣の着用が義務づけられ、綿素材の白いワンピースとナース帽が主流となりました。

しかし1960年以降は、少しずつデザインが多様化してきます。素材も、手入れが簡単なポリエステルなどの化学繊維が採用されるケースも増えてきました。1980年代に入るとデザインはさらに多様化し、ファッション性の高さはもちろんのこと、働きやすく衛生的なユニフォームが登場します。感染症予防、患者さんや看護師自身への視覚的な影響など、さまざまな観点から、高機能なものが開発されるようになりました。

そして現在では、以前のような白衣の天使というイメージにこだわらず、機能的で働きやすい服装が主流となっています。このように、時代とともに医療の在り方だけでなく、ユニフォームも変化を見せているのです。